こころ数霊術の宇宙

  占い業界を長年見ていると,いろいろと裏事情もわかってきてしまうもの。そんな中で見たり聞いたり経験したことを,感じたままに書いてみたいと思います。知り合いもいますので,占い師さんの営業妨害になるような話はあまり書けませんが,意外と問題になっていることが表面に出てこないので,その辺は問題提起ということで,初学の占い師さんなどにもお読みいただければと思います。
 
1.話術だけの占い師に注意!
 
 「当たるも八卦,当たらぬも八卦」などと言いますが,当たらないことには話にならないのも占い師。雑誌の占いぐらいなら気軽に読めますが,相談するとなると当たり前ですがみなさん真剣です。「当たる」ことが信頼につながっている反面,「話術」で実力のなさをカバーしている人もいるので注意が必要です。
 マンガにもなったくらいですが,占い師に相談に来た人に向かって,「あなた,今,悩んでますね!」「えっ!どうしてわかるんですか?」という類の話術です。悩んでいるから相談にくるのに決まっていますし,通りすがりの暗い顔をした人に声をかけても,誰でも悩みのひとつやふたつ持っていますから,たいていドキッとします。
 まあ,これはわかりやすい極端な例ですが,,悩みごとのトップ3「恋愛」「仕事」「健康」に絡めて膨らませていけば,すっかり信用してしまったりするようです。そして,最初に信用するとすべて信じてしまうというのが人の心理ですから,後は当たろうが当たるまいが問題にならないわけです。
 もちろん,「霊感占い」のような感じで直観でわかってしまうような人もいて,一概には言えませんし,本当に実力のある方もたくさんいらっしゃいます。また,初学の人は実力が伴わないのが当たり前なので,修行期間はある程度身につけておいた方が良い部分もあります。問題なのは,実力や人格を磨くのを怠って話術に頼るような占い師が存在する点なのです。
 話術には,ここに挙げたような単純なものから,高度なものまでいろいろとあります。悪用されると困るので詳しくは書きませんが,あまり「占い師=偉い先生」などと尊敬しないで,「本物かどうか」を見極める冷静な目を持って欲しいと思います。
 
2.悪質な勧誘占い師に注意!
 
 占い師すべてに,「親身に相談に乗ってくれる素晴らしい人格者」のようなイメージを持っている方がいたら,それはすぐに改めてください。中には,霊感商法に等しい悪質な占い師も存在するので,注意が必要です。
 基本的な手口として,巧みな話術で信用させて(実力が伴う方もいます),その上で悪いことを引き出す。三大要素ですと,「失恋」「失業」「病気」などですが,悪因縁・業(劫)にまで話を深める場合もあります。そのような不運を引き出してこのままだと死ぬまで続くとか不安に陥らせ,高額な開運グッズを売りつけたりします。
 また,私も元々は手相と姓名判断の出身なのであまり悪く言いたくないのですが,街頭で「素晴らしい人相なので,勉強のために(無料で)手相を見させてください」などと引きつけ,そこから不安を煽って宗教団体に勧誘するとか,姓名判断で「最悪」と言い放って高額な改名を迫ったり,印鑑業者と結託(あるいは自ら運営)して高額な印鑑を売りつけるという商法をしている占い師もいます。占い師といっても,大抵は勧誘のために身につけた程度のアマチュアが多いです。
 とにかく,この辺はキャッチセールスと一緒ですから,どこかに移動して話を・・・というのは危険です。下手すると軟禁状態にされますし,不安を煽られれば心がズタズタになって一縷の望みをその占い師に託してみたくなりかねません。
 だいたい,初対面で悪いことをズバズバ言って相談者を傷つけるような占い師は,フォローの仕方にもよりますが,無事に済んでも大抵はお金の無駄です。どうか,信頼できる占い師を見つけて良き人生のアドバイザーにしてくださいね。
 
3.運を悪くする占い師に注意!
 
 占いというのは,生年月日や姓名やカードなどを元にして現れる様々な要素を解釈して,占い師が相談者の性格や置かれている状況などを考えながらアドバイスしていくというのが,まあ基本的なところでしょう。本やテキストに載っている知識を丸暗記して,それを羅列しているだけなら誰でもできますし,そのままだとアマチュアにとどまるわけです。良いことも悪いこともそのまま伝えるようなアマチュアでは,相談者の運気を悪くしてしまうことがあるので注意が必要です。
 プロと名乗って鑑定料・相談料を取っている占い師でも,これに近い人は結構います。経験も実力もあるので的中率は高いのですが,高飛車になって相談者を上から見下ろすような態度で断定的にまくしたてるようなタイプです。いくら当たるとは言っても,それだけではプロとは言えません。難しいテーマかもしれませんが,占いに出ている要素を上手に伝えて,相手の心を明るくし運気を上昇させて幸せに導けるような努力がプロとして必要だと思います。
 占いの一分野をとっても,勉強することはたくさんありますし実力をつけるにも年月がかかります。オールラウンドな占い師になるにはそれこそ勉強と研鑽の毎日です。ですから,心理学まできちんと勉強して欲しいとまでは言いませんが,少なくとも,相談者の心を傷つけて不幸に導くようなアドバイスだけはしないように,占い師を目指す方にはお願いしたいと思います。
 もちろん,若輩者の私が完璧だなどと言うつもりはありません。ですが,私が占い師として経験して考えてきた中で,占いから心理学に傾倒して「運命心理学」を創始・研究するようになっていくきっかけになったのがこの点です。
 当たる当たらないを問題にするよりも,クライエント(相談者)の立場に立ってもっと本質的な「こころ」の部分を見つめていきたいという点で,一般に言う占い師とは異なった道を歩くようになったわけです。どのようなアドバイスを求めるかは相談する方の自由ですが,占いに振り回されずに占いを上手に活用して,幸せになる方法を見つけてくださいね。