こころオフィス・盛田~うつ病,双極性障害のカウンセリング

カウンセリングのアプローチ


僕は,ユング心理学とその発展型であるプロセスワーク(プロセス指向心理学)を中心に,無意識を前提とする諸派の理論や技法を参考にして経験的に統合した形で,カウンセリング/心理療法を行っています。主なものは「深層心理学」と「トランスパーソナル心理学」ですが,必要とあれば,ひたすら傾聴と共感に徹することもありますし,認知行動療法的なアプローチなども活用します。基本的には,来談される方の悩みや相談をよく聴いていき,どのように進めるかの方針を共有した上で進めますので,一方的に専門性を押しつけるようなことはしません。

ただ,カウンセラー/セラピストが理論や技法を使う時に,どうしてもその人の個性というか,肌に合うものがあるのは否定できません。一般的に,その人の肌に合わない理論や技法を頑張って使おうとしても,あまり良い結果には結びつきません。僕は,身体だけでなく心も敏感肌のようですから,肌に合う合わないには敏感ですし,僕自身が実践したり体験したりして,しっくりくるものをまとめてきて現在の形になっています。それは,僕が十全に自分を活かせる形になっていて,それが来談される方にとっても最大限の効果を発揮すると確信しています。

しかし,来談されるあなたにとって,僕が採用するアプローチが肌に合うとは限りません。最初のうちは,お互いの相性を確かめるつもりで,肌に合わないと感じたら遠慮なく伝えてください。ただし,技法の指定は原則として承っていません。心身の症状や自分の心の癖に苦しんでいて,効果を喧伝されている技法などに魅力を感じたり期待をかけたりするのは自然な気持ちだと思います。ですが,経験上ほとんどの場合,あまり効果があがらない結果になるのです。心の状態が悪いときには悪循環に陥っていることが多く,その中で選ぶものはその循環に含まれるのだと考えています。

それと,悪循環に陥っている状態というのは,あなたの思考や選択のパターンによる対処法が現状に合わなくなっていることが多く,あなたのパターンを作ってきた心のあり方とは異なる要素を加えて,あなたの心のあり方に変化を起こしていくことが重要になります。明らかにアレルギーのような拒否反応があるなら別ですが,違和感がある程度でしたらその方向性でしばらく続けてみることをお勧めします。「良薬口に苦し」と言いますが,カウンセリング/心理療法にもそれは当てはまります。できれば,新しい自分の心のあり方を見つけるつもりで,その違和感を楽しむぐらいの心もちで取り組んでいけると,あなたの無意識も喜んでくれるでしょう。

カウンセリング/心理療法に来談される方は,それまでの心のあり方に変化を起こすタイミングにある方が多く,心身の症状や身近なトラブルで直面した自分の心の癖というのは,それまでの心のあり方がその役割を終えようとしているサインだと考えています。あなたの無意識は,あなたが考えている以上に豊かな知恵をもっていて,その心のあり方を変えることでもっと人生を楽しんだり生きる喜びを感じたりできることを知っています。その無意識の声に耳を傾けていこうとするのが,プロセスワークのアプローチなのです。

プロセスワークのアプローチは,一見関係のないように見えるあなたの身体の姿勢や動きを取り上げたり,一見関連がないように思える出来事や現象を話題にしたりすることが結構あります。それは,あなたが感じ取れていない無意識のサインを読み取っていく過程によるものです。それが無意識の声に耳を傾ける入口になるので,不思議に思われるかもしれません。もちろん,違和感が少ないところからプロセスワークのアプローチになじんでいただけるように心がけていますし,最初の1~2回ぐらいは,あなたの歴史や心のあり方を丁寧に理解していきたいと思いますので,お話を聴いたり必要に応じて質問をしていくことが中心になります。

また,次に来談されるまでに起こった印象的な出来事や夢などをお話しいただくことも,無意識のサインを読み取っていくのに役立ちます。プロセスワークはユング心理学から発展したもので,ユング心理学の共時性の考え方を大切にしていて,あなたの心身とあなたを取り巻く世界で起こっていることすべてに意味があると考えています。一般的な価値観の頭で考えると理解が難しい部分があるかもしれませんが,関心をもっていただけるなら,自分の心の奥と対話するつもりでしばらく続けてみてください。頭で考えることはあまり助けになりません。ただ五感を研ぎ澄ませるように,あなたの心を感じとってあげましょう。